ドッグフードの原材料と犬種別の対応

トウモロコシが主原料のフード

多くのドッグフードの原材料に、トウモロコシが使われています。
中には、主原料がトウモロコシである物もあります。
ドッグフードのトウモロコシは人が食べない品種や部位である事がほとんどです。
また、犬にとってトウモロコシは余り消化が良いとはいえず、アレルギーの原因物質にもなってしまう事もあります。
そのため、トウモロコシを主原料とするドッグフードは、場合によっては避けた方が良いでしょう。

今与えているフードは、トウモロコシが主原料かどうか、ドッグフードのパッケージを手に取り「原材料」の項目を見て下さい。
配合割合が多い順に原材料が表記されています。
最初にトウモロコシやコーンと書かれていれば、トウモロコシが主原料です。

原材料として、トウモロコシ粉・コーンミール・コーングルテン・コーングルテンミール・グルテンフィード等の表記があれば、トウモロコシ入りのフードです。
トウモロコシ粉とコーンミールはトウモロコシを乾燥させて粉にした物。
それ以外のコーングルテン等は、トウモロコシをコーンスターチに加工する過程で発生する副産物です。
トウモロコシの外皮部分がコーングルテンフィード、粉の部分がゴーングルテンミールとなります。
どちらも主に牛や鶏の飼料等に使われます。

人が食べるトウモロコシは、スイートコーン(甘味種)やハニーバンタム(甘味バイカラー粒種)など、甘みが強く栄養豊富な品種です。
一方ドッグフードのトウモロコシは、デントコーン(馬歯種)やフリントコーン(硬粒種)で、主に家畜の飼料として使われる品種です。

スイートコーンは炭水化物にビタミンがバランスよく含まれる食品で、適量をすりつぶして与えれば、犬にとっても優良な栄養源となります。
ところがデントコーンやプリントコーンは、粒が大きく固いので、消化が良くありません。
そもそも穀物の消化が苦手な犬に、消化の良くないコーンを大量に含むドッグフードを与えたら、お腹の調子が悪くなる事もあります。

トウモロコシには犬に必要な栄養素が少ない

犬は本来肉食で、高タンパク低炭水化物の食事が理想とされています。
トウモロコシの主な成分は炭水化物なので、トウモロコシが主原料のフードは高炭水化物です。
与え過ぎると、肥満や高血糖等の悪影響が出る事もあります。
コーンミールやコーングルテンミールはタンパク質が豊富で、タンパク源として配合しているドッグフードもあります。
コーンミールを大量に入れたフードは高タンパクですが、残念な事に植物性タンパク質なので、動物性タンパク質ほど犬が必要とする栄養素を含んでいません。

アレルギーの原因になる場合もある

犬にとってトウモロコシは、小麦・大豆・乳製品と並ぶ、アレルギーの原因物質です。
トウモロコシのグルテンがアレルゲンになりやすいと言われているので、穀物アレルギーの犬はトウモロコシやコーングルテン等を原料とするフードに要注意です。

トウモロコシを使わないドッグフード

色々な形でドッグフードの原料になり、多くのフードに配合されているトウモロコシですが、全く使用しないフードもあります。
例えば商品Aは、原料の80%が肉類、残りの20%は果実や野菜です。
トウモロコシを始めとする穀類は使わず、地元産の新鮮な肉や魚を主原料としています。
動物性タンパク質がたっぷりで低炭水化物なので、犬にとって理想的なドッグフードといえます。

トウモロコシ入りのフード

2013年1月23日版のネイチャーに掲載された論文には、肉食の狼がデンプンを消化できる様になり、人の食事に適応した者が犬に進化したと書かれています。
つまり、犬はデンプンを消化できる遺伝子を持っている=トウモロコシを消化できるという事です。
トウモロコシが全く消化吸収できず体に害があれば、フードの原材料として完全に不適格ですが、そういう訳ではありません。

ただ、消化の能力が人間より劣るので、大量に与えるのは良くありません。
また炭水化物の摂取に関わる病気治療中の犬や、犬や穀物アレルギーの犬は、控えるべきでしょう。
トウモロコシを含むフードが全ての犬に悪いという訳ではありませんので、愛犬の好みや健康状態に合わせてドッグフードを選んで下さい。