ドッグフードの原材料と犬種別の対応

ドライフードはダニに注意

ドライのドッグフードは、多くの愛犬家にとって必需品です。
コスパと利便性に優れ種類も豊富な欠点ナシの商品ですが、保存方法を間違えるとダニが発生してしまう場合があります。
繁殖すると犬に健康被害をもたらす事もあります。
ダニが混入したドッグフードを食べ続けると、ダニアレルギーを発症してしまうワンちゃんもいます。
そうでなくても害虫の入ったフードを愛犬に食べさせるというのは、飼い主さんも気持ちよくないですよね。

愛犬をダニの被害から守るため、ドッグフードを保管する際の注意点は2つです。

1.ドッグフード開封後は早めに食べ切る
2.できるだけ密閉して低温低湿度で保管する

また、ドッグフードを選ぶ際に気をつけたいのは、次の2点です。

1.正規輸入品である事を確認する
2.小麦粉が含まれているかチェックする

それぞれについて、詳しくみていきます。

ドッグフード開封後は早めに食べ切る

犬のダニと聞くと、散歩中に飛び付いて血を吸うマダニを連想しますが、ドッグフードに発生するのは主にコナダニです。
コナダニは、ドッグフードだけでなく小麦粉等の粉類や畳にも発生し、条件がそろえばどんどん卵を産んで大繁殖します。
マダニが体長3~4mmで茶色系なのに対して、コナダニは0.3 ~0.5mmで白色なので、数が少ないうちにに発見して駆除するのは困難です。
コナダニが侵入する前に早く消費しきる事が、一番の対策になります。
東京都福祉保健局の公表データによると、薄力粉やミックス粉でダニを培養すると、3週間で100~200匹、6週間で150~600匹に増殖するそうです。
つまり賞味期限内でフード自体が良好な状態であっても、ダニが1匹でも侵入すると、あっという間にダニ入りフードになってしまうということです。
ドッグフードはまとめて買う方が手間が少なく安くなりますが、開封後1ヶ月を目安に食べ切れる量を購入すると良いでしょう。
特に食べる量が少ない小型犬などは、少量ずつ分包化されている物が便利です。
商品Aは、325gずつ袋詰めされ、1日に50g食べる犬なら1週間で1袋を食べ切れます。
8袋(2.6kg)入りと4袋(1.3kg)入りがあるので、食事量に合わせて選べます。

できるだけ密閉して低温低湿度で保管する

ダニの侵入を防ぐために大切なことは、とにかく密閉した容器に保存をすることです。
コナダニは小さいので、折り曲げたり輪ゴムやクリップで封をしたりしても、わずかな隙間から入り込んでしまいます。
フードの袋ごと、または小分けしてジッパー付きのビニール袋に入れ替えて、大きなタッパーや米びつの様な容器に入れると侵入を防げます。
商品Bの様に、700g入りでジッパー付きの袋に入った物であれば、移し替える必要もなく便利です。
保管場所は高温多湿を避け、清潔に保ちます。
ダニにとって気温25~30℃、湿度60~80%が快適な状態なので、この環境にならない様な場所が適しています。
風通しがよく、直射日光の当たらない冷暗所がベストでしょう。
ちなみに、冷蔵庫での保存はカビの発生を助長しますので、避けたほうが安心です。

また、保管場所に小麦粉やフードのかす、カビなどがあると、それをエサとしてコナダニが繁殖して、フードの袋内に侵入します。
保管場所は、掃除機などで丁寧にゴミを吸い取り、ダニのエサを残さない様にすることが大切です。
コナダニは50℃以上で死ぬので、容器の熱湯消毒は効果的です。
万一食品の袋の中にコナダニを発見したら、それ以上増殖する前に迷わず廃棄して下さい。

正規輸入品である事を確認する

アメリカやカナダ産など、国産以外のフードを購入する際は、並行輸入品を避けた方が良いでしょう。
海外からの輸入品には、正規輸入品と並行輸入品の二種類があります。これらはもとは同じ商品ですが、輸入ルートや業者の介入によって管理の質に差が生じるため、このように分類されています。
正規輸入品は海外の販売メーカーから、日本に設置されている正規の代理店が直接輸入したものです。
メーカーの名前やブランドを背負って輸出入されるため、品質管理が徹底されており、トラブルにもきちんと対応してくれることが多いです。
対して並行輸入品は、個人業者などの第三者も仲介を経て輸入されます。一度に大量に輸送するわけではないので、他の荷物とともに詰められる可能性があります。その場合、輸送中の環境は必ずしもドッグフードに最適なものであるとは限らないのです。
そのため現地で製造された時には素晴らしいフードでも、輸入中に劣化してしまう可能性があります。
その点正規輸入品は、メーカーが輸送状態もしっかり管理しているので安心です。
さらに、日本向けのフードは、日本の気候に合わせて製造される事も多いです。
高温多湿な日本で品質を保って保管できる様に、外袋をアルミパウチにする、防腐加工をする、フード自体の水分を減らすなど、様々な工夫がされています。
輸送と梱包に手間がかかっている分、正規輸入品の方が販売価格は高くなります。
値段だけ見て安いドッグフードを買うと、開封後カビが生えやすかったり、すぐにニオイが悪くなったりする事があります。
そうなるとコナダニも発生しやすいので、並行輸入品は慎重に購入して下さい。
例えば商品Cは、amazon内で並行輸入品と正規輸入品の両方が売られています。
正規輸入品には日本語で「アレルギー対応食」等の表示がありますが、並行輸入品には日本語の表示はなく、パッケージも異なります。
色々な規格の物があり、いずれも並行輸入品の方が安いのですが、正規輸入品ではない事を分かった上で選んで下さい。

小麦粉が含まれているかチェックする

購入後にコナダニを繁殖させなくても、ドッグフードの原料の小麦粉にダニがまぎれている可能性があります。
原料にコナダニがいても、加熱した時点で死滅するので、フード内に生きたコナダニがいる訳ではないので、基本的には問題ありません。
ただし、ダニアレルギーの犬は、話が違います。
ダニがアレルゲンの犬は、ダニの死骸やフンを食べでもアレルギー反応を起こします。
一度ダニでアレルギー反応が起こると、その後は少しのダニを食べても、眼や口の周りが赤くなったり耳やお腹をかゆがるなどの症状が出てしまいます。
小麦粉入りのフードでアレルギーが出る犬は小麦アレルギーの場合が多いですが、古いフードを食べて急にアレルギー症状が出た場合には、ダニアレルギーの可能性もあります。
どちらの場合も、原材料として小麦粉が使われているか、パッケージの表示を確認してから購入して下さい。
ドライタイプのドッグフードの中には、小麦粉を全く使わないグレインフリーの物もあります。アレルギーが心配でドッグフードを与えるのを諦めていた飼い主さんも、一度試してみてはいかがでしょうか。
例えば「100%無添加」の商品Dは、厳しい基準で栽培された、犬のお腹に優しい原材料のみを使用しています。
アレルゲンになりやすい小麦・大豆・トウモロコシ等を使わず、人工添加物を加えずに作られているので、アレルギー持ちの犬でも安心です。

環境省による「飼い主のためのペットフード・ガイド」に、ドライフードは、直射日光を避け温度変化の少ない所で保存、開封後は袋の口をしっかり閉じて温度や湿度の低い所で保存し、なるべく早く使い切る様にと書かれています。